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オーストラリアからの需要が急増中! 2024年の最新インバウンド統計

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早いもので、2024年も1/4が過ぎました。
前回こちらのブログでは、ジャパンガイドの桜関連の記事の推移について見てみましたが、依然としてインバウンドの現場では多くの訪日旅行者による賑わいが続いているものと思います。
今年3月のJNTO調査による訪日来客数統計はまだ発表されていないため数字ではわかりませんが、繁忙している地域の現場では、昨年よりも大幅に旅行者が増えている、と感じている方が多いのではないでしょうか。

2025年の大阪万博イヤーに向けても、コロナ禍で一度途絶えてしまったインバウンドの回復から2019年以上の発展へという意味でも、今年は非常に重要な一年です。
その一年の、最初の三か月がどうであったかについて、ジャパンガイド上で確認できる事項を本稿ではまとめさせていただきます。

ジャパンガイド全体の利用者は対前年+14%の伸び

まずは、サイトを利用したユニークユーザー数(UU数)を、2023年と2024年の1~3月で比較してみます。下記図表1をご覧ください。

図表1:ジャパンガイドUU数比較
※Google Analyticsデータ参照:2023年&2024年1-3月

ご覧の通り、対前年との比較でUU数70万人の増加が確認されています。月毎で見ても3か月毎で見てもだいたい14~17%の増加率なので、対前年でおおよそその程度の伸びで安定していると言えます。

続いて、具体的に2024年にどの国からのユーザーが多かったのかを見てみましょう。下記図表2は2024年1-3月のジャパンガイドユニークユーザー数トップ20です。

図表2:ジャパンガイド国別UU数比較
※Google Analyticsデータ参照:2023年&2024年1-3月

こちらですが、残念ながら対前年比でマイナスになってしまった国を赤で、また20%以上の伸びになった国を濃い青でハイライトしています。
マイナスから見ていきますが、赤になったのはマレーシアとタイという東南アジアの2国です。ただ、マレーシアにしろタイにしろ殆ど誤差レベルのマイナスで、需要は横ばいであると考えてよいと思われます。
東南アジアというとむしろ注目したいのはシンガポールで、2023年の1-3月の時点でパンデミック前の2019年を上回る過去最高レベルのアクセスを記録していたのが、+8%とはいえまだ伸びている点が重要です。シンガポールにおける訪日需要の熱はまだ伸び続けているのが伺えます。
(2023年と2019年のシンガポールの比較については下記記事もご参照)

濃い青でハイライトした国々の対前年比で見てみると、20位の中国が+47.5%と急激な伸びを記録しているのがわかります。中国では入国規制が昨年の途中まで続いていたことを思うと、対前年で伸びることは理解ができます。
とはいえジャパンガイドは英語サイトです。おそらく+47.5%の伸びでも控えめで、簡体字メディアは爆発的な伸びを記録しているのではないでしょうか。
中国以外に+20%以上の伸びを記録した国々の顔触れはオーストラリア、英国、ドイツ、オランダ、フランス、ニュージーランド、イタリア、スイスで、全てオセアニア・西欧圏の国々です。(ちなみに欄外ですが、同じく西欧圏のスペインは+58.89%という驚異的な伸びになっています)

先述のリンク先では、「2023年3月時点では欧州やオーストラリアはまだ2019年の水準に戻っていない」旨に触れています。対して、今年はそれらの国々の訪日需要が戻ってきていると言えるでしょう。
特に、UU数+14万人という増えた数字まで加味すると、オーストラリアからの旅行者が飛躍的な増加を記録しています。

タビナカのオーストラリアユーザーの伸びは30%超

先ほどの国別データのうち、日本国内からのアクセスについては、利用端末の言語設定別で見ると次のようになります。
下記図表3をご覧ください。こちらは右が2023年1-3月のもので、左が2024年同時期のものです。

図表3:ジャパンガイド国内利用者の端末言語比較
※Google Analyticsデータ参照:2023年&2024年1-3月

このようにして見てみると、英語利用のタビナカ旅行者が約80%程度で、その他言語利用のタビナカ旅行者が約12%、日本人の利用が9-10%と、全体としての内訳はほぼ変わらなかったように見えます。
こちらを以下図表4でもう少し細かく見てみましょう。

図表4:ジャパンガイド国内利用者の端末言語比較
※Google Analyticsデータ参照:2023年&2024年1-3月

日本国内からのユーザーの言語端末毎で対前年との数値での比較をしていくと、このようになりました。
マイナスになっているものを赤でハイライトしています。ここでは日本語端末とシンガポール英語端末が該当します。
シンガポールユーザーの日本国内利用が減っているため需要が減退しているかと思えそうですが、先述の本国からのアクセスの伸びも踏まえると、単にこのシーズンに日本入りする旅行者が対前年より低かっただけで、別の時期に旅行を計画されているものと考えられます。
全体の数値が伸びているにも関わらず日本語端末での利用が減っているのは、英語のみで情報発信をしているジャパンガイドとしてはポジティブなニュースで、それだけ情報を届けたいユーザーにより適切に届けられるようになったと考えられます。

全言語での日本国内利用数を一番下に記載しており、対前年比率は+9.84%でした。
この数値よりも対前年比率が増えている項目を青でハイライトしています。
具体的な国名を挙げると英国端末、オーストラリア端末、米英豪星加以外の国々の英語端末、英語・日本語以外の端末などです。

ここでも対前年比で大きな伸びを記録しているのがオーストラリアで、30%超です。
オーストラリアに関しては、先ほどの本国からのアクセスと伸び幅が近いのも興味深いところです。
おそらく、実際に現場で旅行者と接していて、オーストラリアからの旅行者が増えているのを感じている方々も多いのではないでしょうか。

その他の言語の中で触れると、特に伸びが大きかったのはドイツ語で、ユーザー数で言うと+4,000人近いの伸びが観測されています。フランス語、イタリア語、オランダ語などの端末も全般的に伸びており、ここでも西欧圏の国々の伸びが確認できます。

もちろん米国やカナダの端末利用のユーザーも増えているので、英語圏、もしくは第二外国語として英語を扱える国のユーザーからのアクセスは、本国からの情報収集においても日本国内でのタビナカ利用においても増加しているのがわかります。

最後に

ここまで、2024年1~3月のジャパンガイドのサイトユーザーの統計について、前年同期間との比較で検証してみました。
途中でも触れましたが、ほぼ同期間の2023年と2019年とを比較した過去記事で触れた際に落ち込みが確認できた西欧やオーストラリアといった国々の数値が大きく伸びているのが大きな特徴です。
特にオーストラリアの伸びが大きいことは嬉しい情報で、オーストラリア市場は特にコストパフォーマンスが良いことがJNTOの調査でもまとめられています。
(下記リンク先ご参照)

米国市場と比較すると、まず距離が近いことから再来日する見込みが高めというのが大きなメリットです。
滞在日数も長くなりがちで、その分様々な地域にまで足を伸ばしてもらえる見込みも高くなります。スノーアクティビティやトレッキングなどに関心を持つ方も多いため、その方面での需要も見込めます。

こうした点を考えていくと、オーストラリアからの需要の伸びが大きいことは非常にポジティブなニュースです。
もちろん北米や欧州、アジアの国からの需要も全般的に伸びているため、まずは非常に重要な2024年のスタートは幸先のいい形で切れたと言えるのではないでしょうか。

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