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ジャパンガイド動画を例に考える、動画プロモーション成果の評価の仕方

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前回は2023年のjapan-guide.com(以下、ジャパンガイド)サイト内での各地域セクションのランキングをお届けしましたが、今回は2023年を通したジャパンガイド公式youtubeチャンネルの統計について触れていきます。

ところで唐突ですが、ぜひ考えてみてください。
動画プロモーションを評価するにあたって重要な指標は、何だと思いますか?

このように聞くと視聴数を意識しがちです。
視聴数ももちろん大切なのですが、本当はもっと重要な要素があります。

それは《動画がユーザーからどれだけ評価されたか》です。

というのも、Youtubeのアルゴリズムは、ユーザーにとって有益な動画であれば視聴数が伸びるようにデザインされているからです。
視聴数を伸ばしたければ、まずはユーザーから評価されることを目指す必要があります。

そのような観点も含めて、動画プロモーションを実施した際に、その成果をどう評価するかのご参考までに、少し長くなりますが以下ご覧ください。

高評価されている動画の基準とは……?

まずは、2023年のジャパンガイド公式youtubeチャンネルの結果をご覧ください。
下記図表1の一番左は年間のチャンネル全体での視聴数です。5,234,614回が通年の合計です。日割するとおおよそ一日に14,340回、ジャパンガイドの動画が見られている計算になります。
隣にある「インプレッション」はYoutube上でユーザーの画面にジャパンガイドの動画サムネイルが表示された回数です。一日におおよそ196,200回、ユーザーの画面にジャパンガイドの動画サムネイルが表示されている計算になります。

図表1:ジャパンガイド公式Youtubeチャンネル全体データ
 *YouTube analytics データ参照(2023/1/1~2023/12/31)

このような数値がどのようにして生み出されているのかというと、先述したようなユーザーから動画が評価されたことによって、です。
もう少し詳しく解説すると、次のようになります。

Youtube上で”良い動画”の評価指標として大きな影響力を持つのが平均視聴維持率です。この数値は、視聴したユーザーが動画の尺全体のうちどこまで見ているのか? を示すものです。
この平均視聴維持率が40%を越えるのが、Youtube上で”良い動画”と評価される基準と言われています。
2023年のジャパンガイドのチャンネル全体での平均視聴維持率は43.12%でしたので、この水準をクリアすることができました。

このことが、先述したインプレッション数に影響しています。また、ユーザーの多くは画面に表示された動画サムネイルを見てクリックをして視聴に移るわけなので、インプレッションの数値が視聴数の数値に繋がっていきます。

また、Youtubeではこうした評価は動画ひとつひとつだけでなく、チャンネル全体にも還元されていくようになっているので、高めた評価は今後新たに作成する動画にも良い影響を及ぼすようになっていきます。

動画プロモーションが好循環を生み出す仕組み

Youtube上での動画やチャンネルの評価を高めることに成功すると、長期に渡って効果を発揮できるような好循環を生み出すことができます。
この点は、動画に広告費を投入して瞬間最大風速的に視聴数を稼いだ場合では得られない現象です。

そのあたりを具体的に見ていくため、図表1の2023年のジャパンガイド公式youtubeチャンネルの数値がどういった経路で生み出されたものなのかを流入経路別で見てみます。

図表2:ジャパンガイド公式チャンネル流入経路別データ
 *YouTube analytics データ参照(2023/1/1~2023/12/31)

上記図表2は、視聴数順で2023年のジャパンガイド動画の流入経路を並べたものです。
最も多かったのは「Youtube内検索」、次いで「ブラウジング」でした。

このうち、ジャパンガイドYoutubeチャンネルにとって特に重要なのは「Youtube内検索」・「ブラウジング」・「関連動画」の3つです。
というのも、先述したYoutube内での評価が大きく反映されるのが、この3つの経路での表示頻度や表示優先順位だからです。

この3つの流入経路から来るユーザーは流入先動画のジャンル・コンセプトと合う可能性が高いのも重要な点です。
相性のよいユーザーが訪れやすい経路であるため、これらの流入元からきたユーザーによる動画視聴は平均視聴維持率が高めになりやすく、さらなる視聴者を呼ぶ好循環となります。

ジャパンガイドの場合、全体視聴数の約70%がこの3つの経路からとなっており、合計363万ビューに上ります。また、いずれの平均視聴維持率も40%を越えています。
こうした数値から、ジャパンガイドの動画がYoutube上で高い評価を獲得できていることがわかります。

「Youtube内検索」キーワードの興味深い兆候

先述した3つの経路のうち「Youtube内検索」については面白い現象を確認できた一年でしたので、この経路についての深堀をしてみます。
Youtube Analysticではどんなキーワードで検索されたかの内訳も確認できます。

図表3:ジャパンガイド公式チャンネル「Youtube内検索」キーワードランキング
 *YouTube analytics データ参照(2023/1/1~2023/12/31)

上記図表3は、ジャパンガイドの動画を視聴した数順で並べたYoutube検索キーワードランキングトップ20です。
1位は「hakone japan」という箱根旅行を検討して検索されそうなキーワードでした。
京都に関連する検索キーワードが2位と4位に入り、東京関連はトップ20入りもしていません。また、欧米旅行者の主要な旅先としては定番になりにくい名古屋が「nagoya japan」として3位に来ています。
これらのランキングはとても面白い現象でした。

というのも、以下の図表4で示す2019年時の検索ワードランキングとは大きく異なる結果であったからです。2023年と違い、2019年時は「japan」「kyoto」「tokyo」などの単ワードの検索が最上位層に多かったことが見て取れます。

図表4:ジャパンガイド公式Youtubeチャンネル「Youtube検索」検索ワードランキング
 *YouTube analytics データ参照(2019/1/1~2019/12/31)

なかでも注目は、「japan」の視聴数の推移です。
「Youtube内検索」からのトータルの流入自体は【2019年時:1,418,599 → 2023年時:1,872,838】と約32%増なのですが、「japan」のキーワードは【2019年時:185,972 → 2023年時:29,821】と84%減となっています。
この現象は、ユーザー視点でのYoutube内における選択肢の増加が影響しているものと考えられます。
つまり、検索キーワード「japan」でリーチできる動画がこの数年で大きく増加しているのでしょう。同様のことは「tokyo」「osaka」などの主要都市にもあてはまると考えられます。
Youtubeプロモーションにおいて、どのような検索ワードを狙うかは非常に重要な戦略ですが、上記の兆候を踏まえると、今後より一層キーワード戦略は複雑化・高度化していく可能性がありそうです。

ただし、Youtube検索でも表示を増やすために鍵となるのはコンテンツの評価を高めることである点は変わりません。
2023年の検索キーワードを見ると、箱根や京都、名古屋、金沢といったあたりのキーワードでジャパンガイドの動画が高く評価されているのが感じられます。
実際に「hakone japan」で検索結果を確認してみると、以下イメージの通りになっていました。

Youtube検索「hakone japan」結果画面(2023年3月3日)

リンクを貼りまくるのはNG!? 要注意な経路:外部流入元

比較的高い水準の視聴維持率を見込め、長期的なプロモーション効果を発揮しやすい「Youtube内検索」や「ブラウジング」などでの流入と比較して、水物となりやすいのが「外部流入元」からの視聴です。

具体的な例とともに見てみましょう。
代表的なYoutubeの「外部流入元」としてはGoogle検索結果があります。Googleで特定のキーワードを検索すると、埋め込み動画が表示されることがよくありますが、あれのことです。
そのようにGoogle検索結果上で埋め込み動画が表示されるようになると、視聴数を大きく伸ばしやすくなるのですが、この場合、単純に視聴数増加に喜んでいいのかどうかは非常に難しい問題です。

というのも、Youtube内検索で動画を視聴しているユーザーと違って、Google検索で表示された埋め込み動画を見ているユーザーというのは、《動画を見るつもりでGoogle検索をしたわけではなかった》可能性が高いからです。
つまり、クリックしてみて求めていたものと違うと判断し、すぐに離脱してしまう可能性が高い=平均視聴維持率を落とすことになりやすいのです。

ジャパンガイド動画の場合、主要な外部流入元はジャパンガイドのwebサイトとGoogle検索ですが、その2つからの流入の詳細は次の通りです。

図表5:ジャパンガイド公式Youtubeチャンネル「外部流入先」データ
 *YouTube analytics データ参照(2023/1/1~2023/12/31)

2つの外部流入先の平均視聴維持率のギャップに注目ください。
ジャパンガイドwebサイトは言うまでもなく動画と同じくジャパンガイドが運営しており、コンテンツとのシナジー性の高い外部流入元ですので、平均視聴維持率は非常に高い50%以上となっています。
こちらに対して、Google検索からの流入では24.10%と、水準である40%を大きく下回る結果でした。Google検索は視聴数を思うと大きな流入元ですが、Youtube上の評価・平均視聴維持率のことを思うと悩ましいところです。

最後に

今回は、Youtube動画にてプロモーション施策を行った際の評価の仕方を意識して、2023年のジャパンガイド公式Youtubeチャンネルを例にその成果を見てきました。

短期的な視聴数の数字は必ずしも本質的なその動画の価値を示さない場合もあり、その例としては下記のリンク先に掲載したような事例もあります。
(概要を簡潔に述べると、掲載開始後1ヵ月の再生回数は8,205回にも関わらず、その後の4年間で視聴数200万越えという事例)

japan-guide.co.jp「インバウンド動画プロモーション 成功事例の紹介:富山県」

より価値のある動画プロモーションとはどのようなものなのか?
その評価をするためには、わかりやすい指標である視聴数だけでなく、Youtube上での評価を理解していくことが重要です。
そしてYoutube上での評価を高めるためには、ターゲットとするユーザーが本当に求める情報をキャッチし、適切な形で見せる工夫が必要です。
そのあたりの動画制作に関する記事も、いずれ追ってご紹介させてください。

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