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訪日リピーター80%、富裕層は25% インバウンドユーザー調査

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過去の記事でも紹介させていただきましたが、昨年秋の入国規制緩和以降、ジャパンガイドへのアクセスは訪日需要とリンクするように増加しています。
インバウンド集客や海外向けプロモーションに取り組んでいる様々な地域の自治体・DMOや事業者様からのお問い合わせも、大変有難いことに多数いただいています。
お問合せいただく案件の中には、ターゲットが明確になっているものもあれば、ターゲットの選定の段階からのものもあります。

そのような状況を踏まえて、インバウンドプロモーション施策を検討されている地域や事業者の方々へ向けて、本稿ではジャパンガイドがどのようなターゲットにリーチできるかを解説させていただきます。

サイト概要については無料ダウンロードいただける媒体資料も併せてご確認ください。

ユーザーの属性:欧米など英語圏ユーザーを中心に、4人に1人が高年収者

2022年、ジャパンガイドのサイト登録をしているユーザーを対象にアンケート調査を行いました。ニュースレター経由のアンケートなので、回答者は継続的にサイトを閲覧している「英語の訪日旅行情報を意欲的に収集している」層に当たります。
以下、集計結果を解説させていただきます。

【回答者の居住国別内訳】

(図表1:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

上記図表1の左の表は国別で回答者が多かった順のベスト10で、右は大まかなエリア別で見た回答者の内訳です。英語での発信を主としているため、アメリカやオーストラリアなど、英語を公用語とする国のユーザーが中心となっています。
一方で、英語=欧米豪のイメージが強くなりそうですが、東南アジアからも少なくない回答数があるのを確認できます。
また、英国ユーザー数に対する「その他欧州」の数の多さから、欧州では英語圏に留まらず幅広い地域からのユーザーがいることがわかります。

【回答者の平均世帯年収】

こちらも同じく回答者総数は1208名です。結果は下図表2をご覧ください。

(図表2:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

アメリカの平均世帯年収は$62,000と言われており、これは2023年6月現在のレートで換算すると約860万円相当です。アメリカの平均世帯年収を大きく上回るグラフの青と紫の層を富裕層と考えた場合、全体の25.8%の割合(311人)となります。
単純に算出していいものではありませんが、230万人ほどになるジャパンガイドの月間ユニークユーザー数にあてはめるなら、約58万人ほどの富裕層が毎月サイトを訪れていると概算できます。

【年齢層】

回答者の年齢層毎の内訳は下記図表3の左のグラフの通りとなります。20代以下から60代まで、幅広いユーザーがジャパンガイドで情報を得ているのが確認できます。
右は年収$100,000以上の回答者の年齢層内訳です。こちらを見ると青や緑の層がより大きくなっており、40代~60代が富裕層のボリュームゾーンであることがわかります。

(図表3:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

ユーザーの経験や価値観:訪日経験者が8割以上、リピーター層へのリーチに効果的

【訪日経験】

ここからは回答者の過去の訪日経験、価値観に関する回答について記述していきます。

(図表4:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

上記図表4は回答者の過去の訪日経験をグラフにしたものです。
訪日未経験の方が25%未満(292名)であるのに対して、1度でも日本に来たことがある方は全体の3/4以上にあたる916名)でした。
このうち訪日リピーターと言える2度以上の経験がある方は合計58%(701名)に登ります。このことから、訪日経験数の多いリピーターのユーザーがジャパンガイドに多く訪れているのがわかります。

同じ質問を、欧米豪からのユーザー900名に絞って訪日経験の回答を集計したのが下記図表5です。先程のグラフと形状が殆ど変わらないことがポイントです。訪日リピーターと言うと近隣であるアジア諸国のユーザーほど多く、距離のある欧米豪からの旅行者は少ないイメージですが、ジャパンガイドでは欧米豪のリピーター層にもリーチできることがわかります。

初めての訪日の際にはいわゆるゴールデンルートを辿る旅行者が多いのに対し、リピーターになるほどより地方への訪問意欲が高まる傾向があると一般的に言われています。そのような傾向を踏まえると、訪日リピーター層のゴールデンルート外の地域への誘客を測るには効果的なメディアと言えそうです。

(図表5:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

【滞在日数と旅行計画開始時期・旅行手配の仕方】

次に、訪日旅行経験ありの回答者に、直近の訪日旅行の際の「滞在日数」「旅行計画開始時期」を訪ねてみたデータが下記図表6です。

(図表6:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

遠路はるばるやって来る欧米豪圏からのユーザーが多いこともあり、回答者の滞在日数は全般的に長めです。棒グラフの中を旅行計画開始時期で色分けしていますが、滞在日数が長くなるほど旅行計画開始時期が早まる傾向が伺えます。
また、1週間を超える旅行になると、だいたいの場合において出発の1~3か月よりも前の段階で計画を立て始めていることがわかり、ホテル予約などもそのあたりでされているのだということが想定することができます。

(図表7:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

図表7は訪日経験ありの人に聞いた直近の訪日旅行の手配方法についてです。赤い部分は「すべてを自分で手配」した回答者で、圧倒的多数の86.9%(796名)でした。「その他」の中身としてはエージェント手配が12名程、あとはご家族や友人によるものやクルーズ船旅行、軍や学校による手配などが挙げられています。

【旅行予算感】

(図表8:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

こちらは旅の予算感についてです。棒の長さは宿泊にかける一人一泊あたりの予算についての回答数で、棒の中でさらに宿泊以外の一人一日あたりの予算についてで色分けしています。
大多数は宿泊の予算と宿泊以外の予算の感覚がほぼ一致していることから、体験コンテンツなどは価格帯に応じて、どんなホテルに泊まっている人をターゲットとするのが良いかを検討することができそうです。

【訪日旅行における興味の対象】

最後に、訪日旅行経験者に日本の何に興味を持たれているのか訊いてみたデータを紹介します。下記図表9をご確認ください。
昨今では海外での「日本食」や「ポップカルチャー(アニメやゲームなど)」の人気上昇が注目を集めていますが、それぞれ16.7%(185名)と9.3%(103名)という数値を出しています。が、それら以上に目につくのは円グラフ上黄色で表示している「伝統文化」で、全体の半分に近い46%(511名)となっています。

「他」を選んだ方が17.8%(198名)いますが、その内訳は「1つに絞れない」「全て」などの回答や「友人知人と会うこと」などといったものが半数近く、「自然」「景観」「カントリーサイド」などといった地方観光色の強い内容が半数近くとなっています。

(図表9:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

興味関心について、居住エリアごとでの内訳を表示したのが下記図表10となります。どのエリアのユーザーからも「伝統文化」への関心が強いことが伺えます。北米・欧州・オセアニアに関しては比較的似た傾向を示していますが、東南アジアでは「日本食」への興味関心の割合が他よりも多くなることが確認できます。

図表10:2022年ジャパンガイドユーザーアンケート調査)

まとめ

ここまで、2022年に実施したジャパンガイドのユーザーアンケート結果を解説していきました。以下で見えてきた特徴や傾向をまとめていきます。
(特に重要そうな点を太字にしています)

①ジャパンガイドを見ているのは、欧米豪や東南アジア英語圏からのユーザーが中心
②年齢層は比較的高めで、回答者の4人に1人が比較的富層に当たるユーザー
訪日旅行リピーター率が高く、一般的には少ないと考えられている欧米豪の訪日リピーターへのリーチが見込める
④滞在予定期間で多少の差異はあるが、早い段階から自ら調べて訪日旅行の手配をしているユーザーが多い。
⑤旅行中の行動予算は、宿泊しているホテルの価格帯に比例する場合が多い。
⑥欧米豪ユーザーからは伝統文化のカテゴリーへの関心が特に高く、東南アジアユーザーは伝統文化に加えて日本食への関心が高い。

大きな傾向としては以上の6点が挙げられます。

最後に、具体的にジャパンガイドを使った地域のプロモーション施策の例として、下記の富山の動画を紹介させていただきます。

「The Best Places in Toyama」動画

東京を出発して黒部や立山、相倉合掌造り集落などを4日間かけて周遊する旅という内容ですが、こちらはジャパンガイドのコンテンツの中でも二番目に多くのビュー数を稼いでおり、2017年の公開から現在までで再生数225万回を記録しています。
最近ついたコメントには「どうやって動画内の合掌集落への宿泊予約をしたらよいのですか?」という内容の質問もあり、視聴された方が現地への旅行計画を立てていることが伺えます。

このような、地域をより深く味わうためのトラベル動画や記事は、ジャパンガイドのヘビーユーザーである訪日経験豊富なリピーター層にもウケが良いものとなっています。

*上記の動画制作については別途詳細記事があるのでそちらもぜひご参照ください。

富山県 動画制作事例

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