Information
ブログ

ブログ

ジャパンガイド活用による自社サイト集客強化の事例

ブログ EXPORT JAPAN

観光庁等が行うインバウンド向けのコンテンツ造成の事業内容を見ていると、OTAの活用が項目として挙げられていることがよくあります。インバウンド向け体験コンテンツのOTAと言うと、有名なところではTripAdvisor傘下のViatorやKlook等が思い浮かびます。

対インバウンドでは、OTAの利用は非常に重要です。というのも、どれほど事業者側で良質なコンテンツを造成し販売しているとしても、旅行者から発見されないことには購入のきっかけすら掴めないからです。
また、仮に自前のサイトを発見してもらうことができたとしても、その内容を魅力的と思ってもらえるかどうかの問題もあります。

自社サイトでの集客・販売力を強化することの重要性

このようなハードルに対して、グローバルな規模でシェアを集めるOTAを利用することの効果は特大です。適切なOTAに適切な形で掲載することができると発見のハードルも信頼のハードルも越えやすくなります。特に良いレビューを集めることが出来た場合、その集客力・販売力は飛躍的に伸びるようになります。

一方で、OTAには次のような問題点があります。

①少なくない手数料をOTA側に取られてしまい、利益率が大きく落ちる
②OTA上での表示順位などアルゴリズムや掲載ルール等がOTA運営会社の都合で頻繁に切り替わるため、その度に適応のための人的コストが生じる
③どれだけOTA上で人気となっても、自社商品のプレゼンスが掲載OTAの範囲を越えて向上するわけではない

上記の問題点を踏まえると、OTAはあくまでも販売力のあるチャネルのひとつとして有効に活用しつつ、長期的には、少しずつでも自社webサイトでの集客力・販売力を強化してことが重要です。

ジャパンガイド:クリック率の高いページ TOP20

ここまで前置きが長くなってしまいましたが、今回はjapan-guide.comから事業者様のサイトへの流入をテーマにした内容をお届けします。
ジャパンガイドでは、自社サイトの集客力・販売力を強化したいインバウンド事業者様に向けたバナー広告や記事広告などのサービスを提供しています。プランなど詳細は媒体資料をご覧いただければと思いますが、ここでは具体的にどれほどのクリックを見込めるのかの紹介をさせていただきます。

以下、しばらく掲載データは2023年9月1日~9月30日のものを使用します。まずは下記図表1をご覧ください。こちらは、ジャパンガイド全ページのうち下記に該当するコンテンツを除外したクリック率ランキングトップ20です。
<除外項目>
・トップページやサイト内検索など外部リンク先に行く目的のないコンテンツ
・ページビュー数1,000以下のコンテンツ(それ以上含めると数が膨大になるため)

下記図表1のクリック率は、クリック数/表示回数で算定しています。

図表1:ジャパンガイドクリック率の高いページトップ20
※Google Analyticsデータ参照:2023/9/1~2023/9/30

1番と2番に入ったのは、東京・大阪という2大都市でのホテルを東京なら新宿、品川、東京駅など、大阪なら梅田、難波、天王寺などといったエリアごとで紹介したページです。いずれも表示回数は少ないもののクリック率は非常に高く、特に「東京のホテル」のクリック率はサイト全体でも飛び抜けた数値となっています。

「東京のホテル」ページ

同様に宿泊のカテゴリーでは白川郷の「合掌造り家屋での滞在」と「高野山宿坊」という、いずれも滞在すること自体が価値のあるコンテンツについてのページもランクインしています。
これらのページ内の外部リンクは以下画像のようなものを末尾に載せているだけなのですが、このような形でも22~25%のユーザーが流入しているのがわかります。

「高野山宿坊」ページ

3位に入っている「JR西日本片道切符」は外国人旅行者向けでJR西日本が出している割安切符についての記事です。こちらをはじめ、交通関係のページは外部リンクへのクリックが比較的良好なコンテンツで、上記図表では3~6位と8位、9位、12位、19位が該当します。詳細を載せつつ、そのまま予約できるよう文中に外部リンクを載せているため、そうした点もクリック率の良さに関係しているのかもしれません。

「バス時刻表(高山ー白川郷ー金沢)」ページ

観光スポットでは「苔寺」「キリンビール工場」「サントリー山崎蒸留所」「ジブリ美術館」「アサヒビール工場」「マツダミュージアム」などがランクインしていますが、いずれも完全予約制等で入場に制限がある施設に関するページです。それぞれ、情報を確認して予約を求めた方々がページ下部のリンクに飛んでいるものと思われます。

ちなみに、従来は往復はがきでの申し込みしか受け付けていなかった京都の苔寺(西芳寺)ですが、2023年11月からオンラインでの受付を開始するため、今後の京都観光において、メジャーなところから少し離れた良スポットとして苔寺がインバウンドのプレゼンスを向上させていきそうです。

以上、ジャパンガイドのクリック率の高いページのトップ20でしたが、傾向として①宿泊関係情報(東京など大都市圏と、高野山宿坊など付加価値の高いもの)、②交通関係の詳細情報やお得情報、③一部入場制限のある観光施設などでクリック率が高まる傾向が伺えました。

「レンタカー」ページ

ジャパンガイド:クリック数の多いページ TOP20

続いて、クリック数が多いページを下記図表2で見て行きます。

図表2:ジャパンガイドクリック数の高いページトップ20
※Google Analyticsデータ参照:2023/9/1~2023/9/30

クリック数だけで見ると、クリック率に加えて母数であるページ表示回数の影響も大きくなるため、双方がバランス良く高いページが上位に来やすくなっています。
JRパス関連のページが上位2つに入っていますが、詳細を見た上で外部リンク先であるJRパス公式サイトへと飛んでいるものと思われます。

「JRパス」ページ

相撲」「嵯峨野トロッコ列車」などは、先程言及した「サントリー山崎蒸留所」などと同様に、チケット購入のためリンク先へ飛んだものと考えられます。このように見てみると、事前予約要の特定のスポットorアクティビティ + japan-guide.comは相性が良いものと考えられます。3位に入っている「皇居」は、訪れること自体は予約など必要ありませんがオフィシャルツアーが事前予約可能となっており、このため公式サイトに飛ぶ外部リンクへの流入が多かったものと思われます。

「相撲」ページ

取材記事からの流入数事例

ここまで、単独の取材記事ではなくトップ画面のメインメニューからアクセスできるページを中心としてクリック率やクリック数が高いページを特集してきましたが、最後に取材記事の事例を紹介します。

ジャパンガイドでは様々な場所を実際に取材した上で記事として取り上げていますが、その中でも外部リンク先へのクリック率が特に良好だった例として、2つの記事の例を取り上げます。

前者が2019年12月公開、後者も2020年3月公開とかなり前に制作された記事であり、一部公開できない部分があるため先程のランキング基準からは除外させていただきましたが、いずれも記事を高水準なクリック率の記事となっています。
以下それぞれ個別に解説させていただきます。

①和太鼓パフォーマンスイベント記事の事例

こちらは世界的に活躍する和太鼓パフォーマー団体の公演の取材記事です。
通常、このような取材記事では外部リンクを末尾にまとめることが多いのですが、こちらの記事に関してはすぐに申し込むことを希望されるユーザーの存在を考慮し、記事の文中、それも比較的早い段階でリンクを挿入するようにしました。

この記事は先述の通り2019年12月の公開ですが、以降現在に至るまでの表示回数/クリック数の動きが非常に興味深いものとなっています。詳細な数字は伏せさせていただきますが、両者の推移を可視化すると次のようになります。

図表3:和太鼓パフォーマンスイベント記事の表示回数とクリック数推移

取材記事は公開直後しばらくjapan-guide.comのトップに掲載されます。そのため、公開当初は大きく表示回数が伸びます。一定期間が過ぎてからはトップページ表示こそなくなるものの、ページ自体は存在し続けるため、通常は安定した表示回数に落ち着くようになります。
この記事の場合、2020年3月には表示回数が極端に落ち、2022年9月までその状態が続いています。こちらは公開直後のブーストが収束した、コロナ禍の影響が強く見られます。そのため、インバウンドが解禁された2022年10月以降には表示回数を大きく伸ばしているのが確認できます。
コロナ禍が明けて以降は表示回数だけでなくクリック数の伸びも顕著で、時期によって多少の上下はありますが表示回数の半分以上を越えるクリック数を稼いでいます。

こちらの記事については、入国規制緩和後のブーストが落ち着いてから月日が経過した後も安定した数値を保ち続けているため、今後も長らく同程度の流入で推移していくものと思われます。

②デジタルアートミュージアム紹介記事の事例

続いて、デジタルアートミュージアム紹介記事を扱った記事についてです。こちらでも先程と同様、すぐに申し込みをしたいと考えるユーザー心理を考慮し、記事文中の早い段階でチケット申し込みができるリンクを掲載しており、結果として高い外部リンク先流入率に繋がりました。

記事公開時期はCovid-19の深刻さに対する認知が進み、最初の緊急事態宣言が出された月である2020年3月でした。それでも記事公開当初は大きなアクセスを獲得しているのが確認できます。その後入国規制緩和が為される2022年10月まで表示数・クリック数共に低調で推移したのは先程の記事と同様です。

図表4:デジタルアートミュージアム紹介記事の表示回数とクリック数推移

入国規制緩和が為された2022年10月から表示回数・クリック数ともに大きく伸びるのも先程と同様で、以降はだいたい表示回数の1/5から1/3程度の推移となっています。

いずれの記事についても同じような動き方をしているのが確認できるかと思います。言語化すると次の通りです。

1.公開当初は(コロナ禍の期間ですら)大きく記事へのアクセスが伸びるも、だいたい3か月程度で公開直後のブーストは収束する。
2.収束して後、コロナ禍の期間は残念ながら殆ど表示回数が伸びない。
3.入国規制緩和以降、表示回数・クリック数共に大きく伸び、以降は比較的良い水準で推移している。

おそらく、2のコロナ禍がなければ、両記事とも数年に渡って2023年代に入ってからのような表示回数・クリック数を保っていたのではと思われます。
このように、これらの取材記事は公開時期がかなり前であっても、長期的にリンク先サイトへの高い流入率を記録していることがわかります。

まとめ

冒頭で述べた通り、コンテンツの販売におけるOTAの力は大きいですが、中長期的には自社サイトでの売り上げを強化することがより重要になってきます。本稿ではジャパンガイドから外部サイトへの流入という形でどれほど貢献できるかをまとめてみました。

最後の取材記事の2例はいずれも事前予約やチケット購入が必要となるアクティビティや観光施設についてでしたが、同様に地域で新たに造成したガイドツアーや体験ツアーなどといった事前予約要のコンテンツにおいても同様に活用いただくことができます。

また、前半のランキングの部分で述べた通り、交通関係の分野はクリック率の面で計算がしやすいカテゴリーです。ちょうどこの10月にJRパスの料金が大幅値上げとなったことと併せて、JRパスに変わる新たな訪日スタイルの提案等でもジャパンガイドを活用いただくことができるのではないでしょうか。

また、最後になりますが、ジャパンガイドの広告を使用して流入が大きく増えた例として、2016年のものではありますが、東京の築地市場でガイドツアーを販売する旅行会社ノットワールド(現在は羅針盤)様のブログ記事を紹介させていただきます。
バナー広告などご検討の際には、上記もぜひご参照ください。

関連記事